Q&A |遺言 相続 成年後見 不動産登記 会社登記 見守り契約の相談なら安心して相談できるベテラン女性司法書士の佐井司法書士法人(大阪 北区)

Q&A

成年後見についてのQ&A

遺言・相続についてのQ&A

会社設立についてのQ&A

成年後見についてのQ&A

後見人は入院や入所時に、保証人になってもらえますか?

任意後見監督人の仕事はどのようなものですか?

任意後見契約を締結するか、補助人選任申立てをしようか迷っています。選択のためのアドバイスをお願いします。

複数後見人成年後見人に親族・税理士・司法書士の3名を選任したいと思いますが、可能ですか?

任意後見人の欠格事由任意後見契約を締結していた相手が、破産宣告を受けました。何か、影響はありますか?

被後見人と選挙権について教えて下さい。

不動産を売却したいのですが、認知症で判断能力が心配です。登記手続きはしてもらえますか?

成年後見の選任には、期間はどの位かかりますか?

成年後見人の(自宅)不動産売却認知症の親の自宅を売却してグループホームに移りたいと思っています。それには、成年後見人等を選任して家庭裁判所の許可を得る必要があると聞きましたが、事実上、諦めるしかないということでしょうか。

施設探しのポイントを教えて下さい。

成年後見人が不動産を売却する際の注意点を教えて下さい。

保佐人として銀行口座を開設するには、どうすればいいですか?

タンス株が出てきました。どうすればいいですか?

成年後見人が、本人の賃借建物を契約解除し、明け渡そうと思っています。何か、注意することはありますか?

成年後見人に就任直後にすべきことはありますか?

親族後見人として就任しました。どの程度の金額の支出について、裁判所に報告をする必要がありますか?

取締役の退任事由に、認知症があると聞きましたが、本当でしょうか?

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遺言・相続についてのQ&A

お墓は遺産分割の対象となりますか?

相続登記申請に、戸籍や印鑑証明書の有効期限はありますか?

同時死亡の推定数人の死亡者のうち、誰が先に死亡したかが明らかでない場合の相続関係はどうなりますか?

婚外子の相続分婚外子の子と配偶者との間の子の相続分を平等にしたいのですが、どうすればいいですか?

意思能力のない相続人が加わった遺産分割協議は無効と聞きました。本当ですか?

相続分の譲渡遺産分割協議が整うまで時間がかかりそうです。相続人に高齢者が多いのですが、何か良い方法はありませんか?

相続分の譲渡あるいは放棄と相続放棄との違いは何ですか?

生命保険金によって住宅ローンを完済しました。抵当権抹消登記について教えて下さい。

農地の相続において、注意すべきことは何でしょうか。

死亡退職金は相続財産として遺産分割の対象になりますか?

親に虐待をする子どもに、相続を認めない方法はありますか?

親は、未成年の子の親権者代理人として、遺産分割協議ができますか?

「これ」をしたばっかりに、相続放棄ができなくなることがあると聞きました。具体的にはどういう行為でしょうか?

被相続人は、生前、保証人になっていました。保証債務も相続しますか?

代償分割で遺産に占める不動産の割合が大きい場合の、遺産分割協議や遺言の方法はありますか?

再婚相手の子ども(連れ子)は相続できませんか?(養子縁組)

財産をのこすのに、遺言をしようか、養子縁組をしようか迷っています。養子縁組をするには、市役所への届けだけでいいんでしょうか?

父親の相続が発生したが、自分自身は借金も多く、遺産を相続しても弁済しきれないため、兄弟に相続してもらうことに依存はありません。どういった手続きをするといいでしょうか?

亡くなった兄弟が、長年、消費者金融からお金を借りていたとき、相続人はどうすればいいでしょうか?

DVで子どもから虐待を受けています。子どもに遺産が行かないようにしたいのですが、その方法はありますか?

共同相続人の中に、認知症の人がいます。遺産分割協議はどうすればいいのでしょうか?

不動産以外に遺産がないという場合の遺産分割協議は、どういう方法がありますか?

遺産分割さえ整えば、相続登記は急がなくてもいいと聞きました。問題ないでしょうか?

相続手続きでは、戸籍を集めるのが苦労だと聞きましたが、それはどうしてですか?

尊厳死宣言をしたいのですが、どうすればいいですか?

遺言作成のために公証人は出張してくれますか?

シングルで子育てをしています。万が一に備えて、未成年者の子のためにできることはありますか。(未成年者後見人の指定)

遺言を書いても、遺留分を主張されることがあると聞きました。何か、防ぐ方法を教えて下さい。(遺留分の放棄)

長男に「相続させる」旨の遺言は、その長男が遺言者の死亡以前に死亡した場合、有効ですか?

在外邦人の遺言について教えて下さい。

重体で意識がなくなっていましたが、今、回復しています。どうやって遺言をすればいいですか?(危急時遺言)

遺言と死因贈与の違いを教えて下さい。

農地の遺贈には、農地法の許可は不要でしょうか?

夫婦一緒に遺言はできますか?

包括遺贈の場合の注意点は何ですか?

包括遺贈をされましたが、どうやら借金が沢山あるようです。辞退できますか?(包括遺贈の放棄)

臓器提供の意思表示を遺言ですることはできますか?

遺言書に、どこまで詳しく書いたらいいですか?

母が、自筆証書遺言を残して亡くなりました。検認手続きが必要と聞きました。説明いただけますか?

自筆証書遺言では、日付の間違いはどうなるのでしょうか?

自筆証書に書く氏名は、通称名でもいいでしょうか?

遺言で、遺す相手の名前は本名しか有効ではないでしょうか?

自筆証書遺言には、実印で押印する必要がありますか?

不動産が沢山あるので、エクセルでリストを作って、遺言に別紙の形式で付けるのは、問題ないでしょうか?

公正証書遺言は証人が立ち会うので内容を秘密にできないというのは、具体的にはどういうことですか?

遺言の撤回はできますか?

一度、遺言を書いた事がある方のですが、今回、書き直そうと思っています。注意すべき点はありますか?

遺言の撤回を撤回したいのですが、どうすればいいですか?

公正証書遺言作成のための証人2名は、どんな人がなれますか?

外国国籍の場合、遺言をしておいた方がいいと聞きました。私は、既に帰化しているので心配ないですか?

夫婦間贈与で贈与を受けたあとの注意点を教えて下さい。

公正証書遺言は、役場で保存してもらえるので安心と聞きました。いつまで保存してもらえるのですか?

成人でなくても、遺言は書けますか?

自筆証書遺言の検認(けんにん)手続きについて説明して下さい。

遺言執行者の辞任・解任について教えて下さい。

遺言には、遺言執行者を定めておかないといけませんか?

遺言執行者の仕事初めには、どんなものがありますか?

遺言執行者が貸金庫を開けるとき、注意することはありますか?

相続人に相続させる遺言には、遺言執行者の定めは必要ありませんか?

共有者の一人が、相続人なく亡くなった場合を心配しています。国から買い取る必要がありますか?

亡くなった内縁の夫には相続人がいません。遺産を相続する方法はありませんか?(特別縁故者)

相続人に行方不明者がいます。どうすればいいですか?

生死不明となって長期間が経ちました。生命保険の死亡保険金を受け取るのには、失踪宣告をしてほしいと言われました。どのようなものか説明して下さい。

公証役場で遺言を作成したはずですが、見つかりません。探す方法はありますか?

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会社設立についてのQ&A

1円で会社が設立できると聞きました。本当でしょうか?

有限会社は、もう作れないと聞きました。本当でしょうか?

合同会社(LLC)について教えてください。

取締役が1人でも会社を設立できると聞きました。本当でしょうか?

取締役と監査役の任期は10年にしたほうが良いですか?

会社の設立には、司法書士、行政書士、税理士、仲介業の会社などのホームページがありますが、どういった視点で選べばいいですか?

親会社の目的には、100%子会社の目的全てを列挙する必要はありますか?

100%子会社を設立するにあたり、注意する点はありますか?

新たに法律で規律される事業に新規参入したいと思います。早い段階から、株式会社を設立して、法律の施行と同時に事業を開始することはできますか?

退職して起業をしました。この度、サラリーマン時代の友人が、私の会社を手伝ってくれることになりました。取締役として迎えるつもりです。株も少し持ってもらおうと思っています。注意することはありますか?

株式会社設立に必要な期間はどの位ですか?

子会社の代表取締役は、「社外取締役」となりますか?

設立の出資金を払い込む先を、ネット銀行に指定してもいいですか?

事情があって、定款の認証まではできたのですが、登記をしないままです。この度、設立登記をするにあたり、その定款は、使えますか?

親会社の特定の事業を現物出資して子会社を設立しました。その場合、資本金の額を0円とした株式会社の設立はできますか?

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後見人は入院や入所時に、保証人になってもらえますか?

親族といった関係がない限り、後見人は保証人にはなる権限も義務もありません。このことは、施設側にも浸透してきています。
また、保証人となることの法律上の弊害があるので、なるべきではないと考えています。病院や施設が保証人を求める理由の一つに、支払いの確保があります。これについては、後見人として本人の財産を把握しているので、十分支払えることを説明しますので、そのことで入院を拒まれたということはありません。その他には、病状や症状が急変したときの連絡先、更にはご本人が死亡となったときに備えて、また、ご遺体の引き取り先の確保を想定しているのだと思います。急変については、連絡をもらっていますし、私の携帯電話番号も知らせています。親族がいらっしゃる場合は、亡くなったときにも心配ないことなどを説明します。法律的には、保証人として本人に代わって支払いをしたときには、後見人がご本人に対して求償権を持つことになります。つまり、ご本人と後見人間に、利害相反する関係が生じるということです。
そういった関係は、ご本人の保護のために相応しくないことから、親族ではない第三者後見人は、保証人となるべきではないと考えています。

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任意後見監督人の仕事はどのようなものですか?

任意後見監督人は、任意後見人を監督して本人を保護します。任意後見人は、単独で後見業務を行えません。任意後見監督人は家庭裁判所が選任して初めて、事務を開始できます。家庭裁判所は、間接的に任意後見人を監督します。

任意後見監督人の仕事内容は、
1.任意後見人の事務を監督すること。
2.任意後見人の事務に関し、家庭裁判所に定期的に報告をすること。
3.急迫の事情がある場合に、任意後見人の代理権の範囲内において必要な処
分をすること急迫の事情としては、任意後見人が急病になった場合などが考え
られます。
4.任意後見人またはその代表する者と本人の利益が相反する行為について本
人を代表することこれは、よくあると思いますが、任意後見人と本人が共に相続
人となるケースで、遺産分割協議をする場合がこれにあたります。不動産の売買
などもそうでしょう。売買を全くできないのではなく、任意後見監督人がよしと
判断すれば可能となります。

任意後見では、任意後見人と任意後見監督人の双方に報酬が必要となるので、その点が、法定後見人の場合より本人には負担感があります。報酬額は、一般に任意後見人より少額のようです。

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任意後見契約を締結するか、補助人選任申立てをしようか迷っています。選択のためのアドバイスをお願いします。

ご本人が活動的かどうか、在宅かどうか、生活環境などで判断しています。本当は、任意後見契人にも取消権が欲しいと思います。

任意後見契約を締結するため、5回ほど打ち合わせを続け、いよいよ契約を具体的に進めるために財産目録を作ろうということになり、預金通帳を見せてもらったのですが、投資信託で驚くほど損をしていることがわかりました。急きょ、方針変更です。任意後見契約プラス見守り契約をやめて補助の申立を提案しました。契約の取消権が欲しかったためです。任意後見人には取消権はありません。外国の任意後見制度では、取消権はあるようですが、なぜか、日本の制度にはありません。

理屈の上では、任意後見契約も契約ですので、本人の意思能力があって契約能力を理解できれば有効に締結できます。例えば、補助人のついている方や、保佐人がついている方であっても、契約締結は可能です。ところが、この能力の有無の判断は遺言書作成と同じように難しく、いざ問題になったときには、改めて意思表示できない状態になっているため、被補助人や被保佐人の場合には、これを作成する公証人も消極的です。

今回は、任意後見契約締結能力に問題はなかったと思いますが、いざ後見監督人を選任するときになって、裁判所が、本人の保護のためには、むしろ取消権のある補助や保佐が必要と判断する可能性がありました。そうなると、せっかくの任意後見契約も日の目を見ません。

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複数後見人成年後見人に親族・税理士・司法書士の3名を選任したいと思いますが、可能ですか?

家庭裁判所が必要と認めるときは、複数の成年後見人を選任することができます。原則として、各自独立してその職務を行うことができますが、職権で、財産管理と身上監護をそれぞれ分掌(分担)するように定めたり、共同で行うように定めたりできます。

親族と複数後見人に選任されたときには、当初、親族が身上監護を、私が財産管理を分掌しました。後見の登記簿には、この定めを登記します。財産管理担当の私は、銀行窓口で登記事項証明書を提示するのですが、まだまだ成年後見制度が普及していない時期であったためか、預金口座の開設にしても二人の印鑑がないと手続きできないとなったり、印鑑証明書も必要だと言われたりして、さくさくと仕事を進められずに不自由なことでした。今は、違ってきているかもしれません。

税金関連の仕事を税理士に任せたいと考えて、後見人候補にと考えたようですが、後見人でなければできないのか、普通にスポットで業務を依頼すれば済むケースかどうかを判断して、複数成年後見人とするかどうかを選択して下さい。

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任意後見人の欠格事由任意後見契約を締結していた相手が、破産宣告を受けました。何か、影響はありますか?

残念ながら、任意後見人が破産ほか法定の不適任事項に該当するようになると、せっかくの任意後見契約は、使えません。法定後見の選任申し立てに切り替えることとなります。代わりの人を立ててという訳にいきません。

任意後見の優れたところは、本人が後見人を選べることです。ただ、裁判所に任意後見人が不適任と判断されると、任意後見契約自体が効力を生じなくなります。その判断のタイミングは、いよいよ成年後見人として仕事を始める必要となったとき、即ち、成年後見監督人選任申立て時となります。

せっかく、ご本人がこの人と見込んで契約した相手ですが、その後発生した事情などにより、本人にとって不適任な状態となっているときには、裁判所はこの任意後見契約を発効させない方が、ご本人の保護になるわけです。

具体的には、任意後見人が
1.未成年者
2.家庭裁判所で法定代理人、保佐人または補助人を解任された者
3.破産者
4.行方不明の者
5.本人に対して訴訟をし、またはした者及びその配偶者並びに直系血族
6.不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者

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被後見人と選挙権について教えて下さい。

後見人がつくと選挙権はなくなります。それを避けるため、あえて、保佐で申し立てるというケースもあるように聞いています。

被後見人は、財産行為は後見人が代わって行いますが、単独でできることもあります。例えば、遺言です。一時的に自分の行為の結果について合理的な判断をする能力が回復した時に、医師二人以上の立ち会いがあれば、遺言をすることができます。常にでなくとも、その時はっきりとしていれば、可能となるのです。その他には、婚姻や離婚。認知に養子縁組。これらは、後見人の同意を要さないだけでなく、医師の同席も求めていません。

2011年2月2日日本経済新聞朝刊によると、48歳の知的障害のある女性が、初の選挙権の存在確認訴訟を起こしたとして、成年後見制度に一石を投じたことを紹介しています。記事によれば、「後見を受ける人の判断能力を選挙のたびにチェックするのは事実上困難」(総務省)と、認められていない理由を紹介しています。今後の裁判の行方を見守りたいです。

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不動産を売却したいのですが、認知症で判断能力が心配です。登記手続きはしてもらえますか?

司法書士といえば、登記手続を思い浮かべていただくと思います。売買や贈与という所有権移転登記手続きにあたっては、司法書士は必ずご本人にお目にかかり、本人確認とその意思の確認をさせていただきます。その中で、実はご本人が法律行為をすることが困難な状態であることを知る場合があります。このままでは、売買契約を締結することはできません。成年後見人の選任が必要となります。

このようなことがきっかけで、成年後見人を選任することとなることが多いのが実情です。最高裁判所の統計を参考に計算してみましても、申立の動機における財産管理処分が6割弱を占め、次点の身上監護の2割弱を大きく引き離します。売買は一旦停止して、成年後見人を選任した上で裁判所の許可をうけ、改めて契約を締結することとなります。心配かなと思ったときは、事前にご相談下さい。

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成年後見の選任には、期間はどの位かかりますか?

大阪家庭裁判所では、面談の日より選任まで僅か10日間ですんだことがあります。そこまででなくても、あまり日数を置かずに選任いただいています。

このままでは債務整理の委任を受けることができない、という事情があって、後見開始の申立をしたときのことです。この後、審判が確定(審判書謄本を受け取って2週間後)次第、後見人さんから委任をいただいて受任通知を債権者に送りました。

鑑定を必要とする場合でも、申立時に診断書を書いていただいたお医者様が鑑定も引き受けて下さる場合は、比較的早く進みます。この場合、鑑定依頼は裁判所から直接お医者様に送ります。「お医者様によっては、鑑定のために特別に日を設ける場合と、特別な感じを抱かないよう、普段の診察の際に鑑定をしようと考えていらっしゃる場合があるので、そういったことを踏まえて鑑定依頼が届いたかどうかを尋ねてください。」と、書記官からアドバイスをもらったことがあります。選任を急いでいる場合は、申立時にお医者様にその旨予め報告し、お願いをして下さい。

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成年後見人の(自宅)不動産売却認知症の親の自宅を売却してグループホームに移りたいと思っています。それには、成年後見人等を選任して家庭裁判所の許可を得る必要があると聞きましたが、事実上、諦めるしかないということでしょうか。

自宅を売却して、本人は施設、その配偶者は子どもと同居するというケースであっても、許可はそう難しいものではないと思いますので、初めから諦めないでください。そのために要する期間も、随分短期間になっています。成年後見人の選任を申立てして下さい。

認知症で判断力に不足のある方の居住用不動産を売却するには、成年後見人を選任して、後見人より家庭裁判所に対して売却許可の申立てをする必要があります。居住用不動産とは、当時そこに居住している場合に限りません。今は住んでいないけれども、また戻ってくる場合も該当しますし、今は有料老人ホームに入っていても、それ以前に住んでいた不動産は居住用不動産とされます。また、居住用であってもなくても、不動産という高額な財産を処分するには、事前に家庭裁判所の許可を求めているのが実務上の取扱いです。

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施設探しのポイントを教えて下さい。

施設探しのポイントは、ご本人のライフスタイルと経済状態で、施設の種類を大きくふるいにかけ、その中でも、どこに住むかを、もう一度ライフスタイル、好み、要望と、施設の提供するサービスが、うまくマッチしているかどうかで判断します。

成年後見人は、ご本人に代わって、あるいは一緒に、どこで生活するのがいいのか、自宅から施設に住み替えた方がいいのか、その場合、どういう施設を選ぶかという、難しい問題に臨みます。

例えば、有料老人ホームの場合、ひと月分の費用トータルが気になるところですが、グロスでいくらではなく、その明細を確認すると、施設の特徴が見えてきます。つまり何にどれだけお金を使っているのか?食事が豪華なのか?人件費をたくさん使っているのか?施設によって特徴が出てきます。ご本人のライフスタイルによって、選択の結果は変わってきます。
また、同じ種類の施設であっても、施設長の経営理念や、個性によっても、雰囲気はずいぶんと違ってくるものです。同じグループ施設であっても、施設長によって、相性が合う合わないがあるものです。

最後は、ご本人と一緒に見学をすることをおすすめします。
昼食の時間帯にいらっしゃれば、ひとりひとりに個別対応をしているかどうか、分かりやすいです。お友達の家に訪問するのとは、目的が違います。遠慮は必要ありません。

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成年後見人が不動産を売却する際の注意点を教えて下さい。

居住用不動産の売却には、必ず裁判所の許可がなくてはできません。売買契約書案と、売買価格が相当であることを説明するために、不動産鑑定書があればいいですが、費用がかかりますので、数社から取り寄せた査定書を提出しています。

売買契約は、裁判所の許可がおりることを条件に、効力は生ずるという特約を付します。許可の出る前に、締結し、手付け金を受け取ります。許可が下りなければ、ペナルティなしに解除できるというものです。

成年後見人としての登記事項証明書と、個人の印鑑証明書に実印、本人確認書類として、運転免許証を持参します。もちろん、印鑑も免許証も後見人自身のもので十分です。

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保佐人として銀行口座を開設するには、どうすればいいですか?

保佐人としての銀行口座を開設する際には、保佐人プラスご本人の署名捺印が必要です。保佐人は、当然にご本人に代わって財産管理をすることはできません。ご本人は、大抵の法律行為をすることができ、特に法律で定められた重要な行為について、保佐人の同意が必要となるのが原則です。この他に、家庭裁判所は、ご本人の同意のもと、予め定めた特定の法律行為について、代理権限を保佐人に付与することができます。申し立ての際に、その審判を求めます。そこが、当然に代理権限がある後見人とは違うところです。

実際、保佐の仕事をするには、銀行預金の口座開設・解約について代理権限の付与は必ず必要です。保佐人選任の審判書を受け取ると、それが確定するまでの間に、銀行関係の書類を揃え、ご本人から署名をもらって準備します。ご本人が署名するのが難しい場合もあり、その場合どうするかは、銀行と協議をすることになります。

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タンス株が出てきました。どうすればいいですか?

上場会社の株券は、株券の電子化により無効となっています。証券会社で後見人として一般口座を開設し、信託会社には特別口座の確認を依頼し、問題なければ、先の一般口座に移管してもらって、タイミングをみて売却してはいかがでしょうか。 問題点は三つあります。

1.偽造でないかどうか、事故届けがないかどうか、公示催告がされていない
かどうかという、事故株でないことの確認です。これは、証券会社ですぐにオ
ンラインで確認してもらえました。必要なものは、後見人の印鑑証明、実印、
届出印、審判書、ご本人の本人確認書類後見人の銀行口座

2.各上場会社毎の株主名簿管理人たる信託銀行に問い合わせをして、株主名
簿に、ご本人が載っているかどうかの確認。載っていれば、株券電子化実施時
に特別口座に記録されているはずです。

3.いつどのタイミングで売却するか。銘柄によっては、急いで売却する必要が
ある場合もあります。私は、基本的には、株式で保有しておくことはしていま
せん。その株式が電力会社やガス会社といった公共的な会社であった場合で
も、想定外のことは起きるものです。売るのは、あっという間で、不動産とは大
違いです。

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成年後見人が、本人の賃借建物を契約解除し、明け渡そうと思っています。何か、注意することはありますか?

誰しも、住み慣れた家で暮らし続けたいものです。法律も、居住用建物又はその敷地については、後見人といえども、裁判所の許可なしには処分できないと定めて、本人の生活基盤の保護を図っています。

「処分」というと「売却」をイメージしやすいですが、これに限りません。賃借しているアパートの契約解除や、逆に賃貸に出すことも含まれます。その他にも、贈与したり、リバースモゲージ、使用貸借契約により貸し出したり、使用貸借による借りていた契約の解除をしたりする場合も同様です。許可を得ないでした後見人の処分は無効となります。

また実務では、居住用不動産は限定的に考えるのではなく、現在及び将来においての可能性、また施設に住所を移していても、それまで暮らしていた住居については、家庭裁判所の許可を申立てるようにしています。

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成年後見人に就任直後にすべきことはありますか?

成年後見人に就任後1ヶ月以内に、裁判所に財産目録を提出することを求められています。

そこで最初に、後見人の身分証明書として、登記事項証明書を法務局で受け取ります。次に、銀行に成年後見人としての口座を開設します。後見人の実印と印鑑証明書、運転免許証などの身分証明書に、登記事項証明書を提出します。ご本人の身分証明書も求められます。私は、登記事項証明書は原本を返してもらうようにしています。そこは節約で、ちゃんと応じてもらえますから。慣れていない窓口が多いので、予め電話連絡をしてから行った方がスムーズです。口座名は、「甲山三郎成年後見人佐井惠子」こうして口座を用意しておいて、年金が新しい口座に振り込まれるように、年金受給者住所・支払機関変更届や書類の送付先変更届をします。公共料金や健康保険・介護保険などの引き落とし口座の変更届けも済ませてしましょう。これらの、振込・引落ができたのを確認して、ご本人名義の口座を解約します。

健康保険・固定資産税などの郵便類も、後見人に届くように連絡をしておきます。同じ市役所であっても、部署が違えば別と思っておく方が間違いありません。生命保険等に対しても、様々なお知らせを見逃さないために連絡先の変更を行っておきます。

そうこうする間に、1ヶ月はあっという間に過ぎていきます。最初の財産目録が全てのスタートラインとなります。分かる範囲で、でも正確に作成しましょう。裁判所への提出は、期限に一日遅れたらどうなる?というものではありませんが、間に合うように頑張ってください。最初のスタートダッシュが肝心です。

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親族後見人として就任しました。どの程度の金額の支出について、裁判所に報告をする必要がありますか?

裁判所によってもまちまちだと思いますので、ご自身で確認をお願いしたいのですが、以前の、親族後見人に対する裁判所の説明では、臨時の支出に際して、10万円を目処に、事前もしくは事後に見積書や領収書を添えて裁判所に相談してほしいと聞いています。もちろん、財産の額等々、条件次第だと思いますが、一つの目安になるかと思います。人によって、こだわるポイントも違います。食事は豪華に、ファッションは構わないという方もいらっしゃれば、その逆も。ご本人の今までの生活歴を一番よくご存じの後見人さんに裁量権を認めながらも、一つの基準として10万円という金額を裁判所は示したのでしょう。

後見人となったからには、必要な買い物しかできない、窮屈になるとお考えになっている方が多いですが、親族といえども他人のお金を預かるという心がけが必要なので、ご本人の楽しみにも、お金を使って差し上げることができます。むしろ、そこのところが、ご本人をよく知る親族後見人の良いところではないでしょうか。なお、金額については、予め裁判所に確認をなさって下さい。変更があるかもしれません。

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取締役の退任事由に、認知症があると聞きましたが、本当でしょうか?

取締役や監査役に選任後、認知症となったとしても、すぐに退任となるわけではありません。認知症等で後見開始決定となったり、保佐開始決定となると同時に、それらの役員は退任することになります。ところが、ご本人が後見相当の状態であったとしても、開始決定がない限り退任事由とはなりません。ご本人が、後見相当の状態であったとしても、そのままであれば退任事由とはなりませんが、後見開始決定が出ると、当然に退任となってしまいます。

もっとも、改めて後見あるいは保佐相当の状態の方を取締役に選任することには、疑問を持ちます。取締役は重い責任を負うため、その就任はご本人の保護に欠けるでしょう。それだけでなく、例え選任されたとしても、就任承諾する意思能力があるのかどうか、選任が有効になされるのかどうか疑問です。

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お墓は遺産分割の対象となりますか?

お墓の承継には、遺産相続とは別のルールがあります。墓地、系譜、祭具などを祭祀財産(さいしざいさん)と、いいます。これらは、祖先の祭祀を主宰する人が承継しますが、その決定のルールは、以下の通りです。

1.被相続人の指定による。方法に制限はありません。生前でも、遺言でもいいですし、書面・口頭、明示・黙示を問いません。
第二に、指定がなければ、慣習に従います。この慣習の意味は、旧民法の家制度とかでなく、戦後の慣習ということです。

2.慣習が明らかでなければ、家庭裁判所が定めます。ここに至ると、承継人と祖先の関係というより、被相続人との関係を重視することになります。
生計を一にしていたとか、身分関係が近いとか、被相続人に対して思慕の念を持ち、末永く祭祀を主宰するに相応しい人として定めた判例があります。

3.第三の方法によるよりは、関係当事者の話し合いで、納得して承継人になるというのがいいと思うのですが、下級審判例はゆれています。墓地自体に財産的価値がある場合もあるでしょうが、一方で、利用料など高額な維持費を負担したり、檀那寺から寄付を求められたりと、負担も大きいといったケースもあります。祭祀承継人は、相続のように放棄も辞退もできません。遺言で、ご本人が指定しておく方法もあります。

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相続登記申請に、戸籍や印鑑証明書の有効期限はありますか?

相続登記手続きでは、戸籍・印鑑証明書それから住民票も有効期限はありません。遺産分割協議書はあるけれど、相続登記をしないうちに、相続人にも相続が発生してしまった。そんな登記の依頼を受けることがあります。当時の印鑑証明書を、遺産分割協議書と一緒に保管しておいて下されば、何年前のものであっても相続登記は可能です。
但し、相続人の戸籍は、被相続人死亡の日以前のものは使えません。相続による銀行の預金解約手続きには、3か月以内の印鑑証明書を求められるように、提出先により様々ですので、登記以外のケースでは、事前にご確認下さい。

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同時死亡の推定数人の死亡者のうち、誰が先に死亡したかが明らかでない場合の相続関係はどうなりますか?

数人の死亡者のうち、誰が先に死亡したか明らかでない場合、同時死亡したものと推定します。同時死亡者相互の間には相続関係は生じません。
例えば、父親と息子が同時死亡の推定を受けた場合。母親はすでに亡くなっていて、息子には配偶者と子どもがいます。他に、兄弟が一人。このとき相続人は、父親についての相続では、息子は相続しませんので、その配偶者には権利はなく、子どもと兄弟が各2分の1の割合で相続します。子どもは息子の代襲相続人です。子どもがいなければ、兄弟が全て相続します。
一方、息子の相続では、配偶者と子供が各2分の1の割合で相続します。子どもがいなければ、配偶者4分の3、兄弟が4分の1の割合で相続となります。
もし父親が息子に相続させるという遺言を書いていたときは、遺言の効力は生じません。従って、法定相続人が相続することになります。
後日、死亡の先後関係が明らかになると、この推定は覆り、相続回復請求権の行使の問題となります。

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婚外子の相続分婚外子の子と配偶者との間の子の相続分を平等にしたいのですが、どうすればいいですか?

嫡出子と嫡出でない子との間の法定相続分は、2対1と定められています。
従来、これを定める民法900条第4号は、法律婚の尊重と非嫡出子の保護の調整を図った合理的な根拠があるとして、合憲という判断がされています。この規定が、法の下の平等を定める憲法に違反しているとして訴えた事件。2010年7月、小法廷から大法廷に回付したことから、いよいよ違憲判決が出されるかと話題になっていましたが、2011年3月9日、あっけない幕切れとなりました。当事者が裁判外の和解をしていたので、訴えの利益がなくなったとして、判断しない、つまり却下となりました。最高裁判所の結論は持ち越されました。平等にしたいと思われるなら、あるいは、民法通りとしたいと思われるなら、是非、遺言を書いて下さい。それなら、裁判所の判断によって左右されることはありません。

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意思能力のない相続人が加わった遺産分割協議は無効と聞きました。本当ですか?

遺産分割協議をするときに、実は意思能力のない共同相続人がひとり。誰も文句を言わないし・・・、ということで、代わりに実印を押して登記も終わったとしても・・・。この遺産分割は、いつになっても、誰からも無効を主張される危険があります。
高齢化社会が進みますと、被相続人はもちろん、その相続人も、自然と高齢になってきます。中には、認知症などで、意思能力に欠ける相続人が現れる場合もあります。意思無能力者とは、自己の行為の結果を弁識するに足りる精神的な能力の不足する人のことをいいます。実際、被相続人に近い相続人であるならまだしも、普段お付き合いのない兄弟が認知症になっておられたりすると、成年後見人の選任手続きをお願いするのも、難しいです。意思能力のない相続人が加わった遺産分割協議は、いつまでたっても無効を主張される危険があります。登記ができていたとしても、関係なしです。誰も文句言わないと思っていても、後から誰からでも主張できます。

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相続分の譲渡遺産分割協議が整うまで時間がかかりそうです。相続人に高齢者が多いのですが、何か良い方法はありませんか?

長びく遺産分割協議を見越して、相続人が高齢の場合、あるいは相続人の一人に信用不安のある場合、先ずは、その相続分を譲り受けておき、それから遺産分割の協議に入る。そういう方法があります。
相続分の譲渡は、実務でよく使われているわけではありませんが、遺産分割調停の申立て前後に行い、調停の相手方にならない、あるいは調停を脱退することがあります。相続放棄のできる期間を過ぎてしまっている場合にも、有効です。
ただし、相続放棄と違い、積極財産も消極財産も、その相続分の割合で移転することに注意して下さい。

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相続分の譲渡あるいは放棄と相続放棄との違いは何ですか?

相続開始後、遺産分割協議が整うまでの間に、譲渡分を譲渡あるいは放棄することはできます。
相続放棄は、自分が相続人となったことを知ってから、3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりませんが、相続分の放棄なら、遺産分割前であればいつまででも可能です。
但し、債務は当然には免れることができません。ここは、相続放棄と異なるところです。

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生命保険金によって住宅ローンを完済しました。抵当権抹消登記について教えて下さい。

単独所有の場合は、相続の登記の後に抵当権抹消登記を申請しますが、共有の場合は、相続登記を待たず、他の共有者から抵当権抹消登記申請を行えます。
単独で所有していた場合は、亡くなった所有者から委任状はいただけないので、相続登記を先に済ませ、その後、抵当権抹消登記をします。遺産分割が何年かかろうと、失くさないように保管して下さい。ところが、他に共有者がいる場合は、弁済による抵当権抹消登記の申請は、他の共有者からの登記申請で対応できます。
民法では、共有物の保存行為については、各共有者がそれぞれ単独で行えるとしています。弁済によって、当然に消滅した抵当権の抹消登記申請は、この保存行為に当たるわけです。

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農地の相続において、注意すべきことは何でしょうか。

兄弟二名の共有名義でとりあえず相続した農地。次の世代のために、単独名義にしておきたいのですが、農地ですので、贈与税の心配は少ないし、売買であっても、代金はそんなに高額にはならないと思っていましたが、思わぬ落とし穴が待っていました。
宅地であれば、問題ありません。税金の問題があったとしても、それは別の次元の問題です。ところが農地では、そもそも贈与も売買で名義を変えることができない場合があります。
農地について、売買や贈与をするときは、農業委員会又は都道府県知事の許可が必要です。権利を取得する人は、誰でもいいのではなく、農家の資格のある人や農業生産法人など限定です。農家の資格というのは、ある一定規模以上の農地を耕作している人で、本当に耕作できるかどうかという基準で判断されているようです。
そのご兄弟は、農地を取得する資格を有していなかったため、農業委員会の許可申し立てができず、所有権を移転することができません。兄弟間の譲渡についても、農家の資格の例外を認めていません。従って、権利を取得する側が、一定規模以上の農地を他に有していなかったら、これを取得することは難しいのです。農家の資格ある第三者に売却して手放すか、場所によっては、他の用途に転用する許可を得て、移転するしかありません。とりあえず、兄弟で共有にしておこう・・・は、農地の場合は厳禁です。

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死亡退職金は相続財産として遺産分割の対象になりますか?

労働者が在職中に死亡すると、会社からは死亡退職金の給付を受けます。これは、相続財産には含まれないので、これを受け取るのは法定相続人に限りません。
死亡退職金の受給権者は、公務員等は法令や条例によって、民間企業では、就業規則等で定められている場合が多いです。死亡退職金の場合、遺族の生活保障といった面から、必ずしも民法の相続人の範囲、順番と一致していない場合が多いようです。
例えば、配偶者、内縁の配偶者がいる場合は、子は受け取らないとか、孫がいても父母を優先するとか、夫婦間の子と婚外子とを平等に扱うとか・・・。生活保障の側面を重視しています。
死亡保険金と死亡退職金は似ているものの、死亡保険金の受取人は、遺言で変更することができますが、死亡退職金は、受給権者を遺言で変更できないところが、違うところです。
会社を経営する方は、予め役員退職金支給規定を作っておけば、遺言の変わりにすることもできるのではないでしょうか。

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親に虐待をする子どもに、相続を認めない方法はありますか?

推定相続人が、被相続人に虐待をしてきたり、重大な侮辱を与えたり、または推定相続人自身に、著しい非行があったとき、本人に限り、排除の請求をすることができます。

具体的には、高齢者に対する身体的虐待、監護懈怠、性的虐待、そして年金を取り上げるなどの経済的虐待も対象となりますし、配偶者に対しては、ドメスティックバイオレンス 暴力行為も対象となります。傍で歯がゆい思いでみている、ほかの推定相続人であっても、本人に変わって、排除を言い出すことはできません。

排除はいつでも家庭裁判所に対して請求することができますし、また、その取り消しもできます。また、遺言で排除の意思表示をすることもできます。

家庭裁判所が、後見的立場で、客観的基準で、排除の請求が正当であるかどうかを判断します。遺言による場合は、遺言執行者が裁判所に請求して行います。
どの位利用されているか、調べようと、法務省の統計で戸籍に排除の届け出をした件数を見てみました。なんと、平成21年度は全国で47件。平成12年度に32件と、ほとんど利用されていません。「排除」の事件数が少ないことは、それ自体は、いいことかもしれませんが、高齢者虐待やDVが問題となっている現代、もう少し多くてもいいと思います。

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親は、未成年の子の親権者代理人として、遺産分割協議ができますか?

父親が亡くなったりすると、共同相続人である母親と未成年の子が遺産分割をする際、母親は未成年者の代理人となることはできません。家庭裁判所に特別代理人の選任申立をします。未成年者の子が二人いる場合は、各人に特別代理人を選任します。

これは、それによって法律上、母親と未成年者の子との利益が相反するケースであり、母親が未成年の子の代理人として行為することを原則として認めると、場合によっては、子の利益を害するおそれがあるからです。とは言っても、実際には、子の扶養義務が母親にはあり、母親が全てを相続する場合がとても多いです。一般に、特別代理人には、親の親族が候補者となり、就任するケースが多いです。特別代理人は、その法律行為に限定して、未成年者を代理します。もちろん、それ以外の事項については、母親の親権者代理権が復活します。

家庭裁判所には、遺産分割協議案と未成年者・親権者の戸籍と特別代理人候補者の戸籍を提出します。

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「これ」をしたばっかりに、相続放棄ができなくなることがあると聞きました。具体的にはどういう行為でしょうか?

民法は、相続財産の「処分行為」をした相続人については、以後相続放棄ができなくなる、つまり、単純承認をしたとみなされ、全てのプラスとマイナスの財産を相続することになるという規定があります。相続財産がマイナスであったとき、その相続人の固有財産、例えば、サラリーマンとして働いて蓄えた固有の財産から、親の債務を支払うことを強制されることには、自己責任の原則からも問題があります。

相続するかしないか、相続人に一定期間の熟慮期間に判断する自由を、民法は認めています。もっとも、その間に、遺産を処分してしまっている相続人や、自己の財産と混じってしまうような管理をしている相続人にまでは、この自由を与えていません。

「これ」をしたばっかりに、相続放棄ができなくなることを紹介しますと、
・全部または一部の売却
・値打ちのある物の焼却
・相続財産としての売掛債権の回収
・宝石や骨董品など、高額な物の形見分け…などがあります。

逆に、相続人が受取人である保険金請求や、金の仏像や高額な仏壇、大理石のお墓でなければ、こういったものの購入は、処分行為とはなりません。

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被相続人は、生前、保証人になっていました。保証債務も相続しますか?

借金と違って、債務者が支払えないときに顕在化する保証債務は、その存在が忘れられがちですが、保証人が亡くなったとき、その保証人の地位は相続されます。
保証人がやっかいなのは、債務者が完済してくれれば問題ないのですが、それが今の時点では、わからない場合があること。あるいは、保証債務は当事者以外からは見えにくいということ。
相続人が、そのような保証債務の存在を後から知った場合、わかっていれば、相続放棄をしたものを・・・と、思うことだってあると思います。相続放棄するにしても、自分が相続人となったことを知ったときから3ヶ月以内という期間制限があります。3ヶ月の間に調査して・・・といっても・・・、どうしていいか分からないとのご相談に、信用調査会社に個人情報の開示請求をする方法をお伝えしたことがあります。但し、この方法では、個人間の保証などは分かりません。

裁判では、原則として、相続が開始したという事実と、これによって自分が相続人となったことを知った時から3ヶ月以内に限定するものの、その間に相続放棄等しなかったのは、「亡くなった本人に債務が存在しなかったと信じたため」であって、本人の生活歴、本人と相続人との交流の有無など様々な事情から、相続人がそう信じたことに相当の理由があると認められるときには、例外として、3ヶ月の期間のスタートを、相続財産に関する認識をもった時からとして、不意打ちの債務の相続から救済したものがあります。保証債務があることを知らずに、突然、相続人に請求されたとき、諦めないで、相続放棄を検討してみたいものです。

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代償分割で遺産に占める不動産の割合が大きい場合の、遺産分割協議や遺言の方法はありますか?

遺産の中で不動産の占める割合が大きくて分けにくい場合に、相続人固有の財産から代償を支払う、「代償分割」「換価分割」という分け方があります。
遺言においても、「負担付き遺贈」や「処分型遺贈」という方法で、分けにくい遺産について遺言をする方法があります。

負担付き遺贈の場合、
「収益マンションは甲に遺贈します。受遺者甲は、遺言者の子、乙に対して、大学医学部在学中の学費及び卒業までの生活費月○○万円を支払うこととする。」
この場合、支払うお金の出もとは、収益マンションの賃料収入からでもいいですし、甲の固有財産からでもいいです。

処分型遺贈の場合、
「遺言者が所有する土地を売却し、売却代金の内100万円を甲に、残額を乙に遺贈する。」
「遺言者が所有する土地を売却し、遺言者の○○に対する借入金を返済した残額を甲に遺贈する。」
この場合、必ず遺言執行者を定めておきます。

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再婚相手の子ども(連れ子)は相続できませんか?(養子縁組)

年月をかけて親子関係を築き、子どもさんは、最後には介護も担い・・・。今更と思われるでしょうが、配偶者の連れ子と養子縁組をしていなければ、その子どもさんは、親の再婚相手の相続に際しては、何の権利もありません。特別縁故者の可能性が残っている位です。

子どもさんは、養子縁組をしても、実の親との親子関係がなくなるわけではないので、実親の相続人にもなります。そういう意味では、子どもさんに不利になることはありません。ご自身の子どもさんもいらっしゃる場合は、養子も実子も、相続分は均等となります。両者の間に、差はなく、遺留分も認められます。

財産を渡したいけれど、養子にするのは今更と思われるなら、遺贈という選択肢もあります。相続人以外に、財産を遺言で遺す方法です。

法律上は、結婚をしたら、当然にその子どもと親子関係ができるということには、なりません。結婚と同時に、あるいは何かの節目に、養子縁組を考えてみてもいいですね。

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財産をのこすのに、遺言をしようか、養子縁組をしようか迷っています。養子縁組をするには、市役所への届けだけでいいんでしょうか?

原則、結婚と同様、双方の縁組の意思と市役所への届け出で養親子関係は成立します。
養親は養子より、一日でも年長であること。婿養子・節税養子・連れ子養子、理由は問いません。15歳以上なら子ども自身の意思で、それ未満だと親が代理して縁組みを行います。但し、未成年者については、おじいさんと孫のような場合を除き、子の福祉のために、家庭裁判所の許可を必要とします。

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父親の相続が発生したが、自分自身は借金も多く、遺産を相続しても弁済しきれないため、兄弟に相続してもらうことに依存はありません。どういった手続きをするといいでしょうか?

相続人からのご相談であれば、遺産分割ではなく、面倒でも相続放棄をしておくことだと考えます。

自分は何も相続しないという内容の遺産分割協議をするという方法もあり、簡単ですが、債権者としては、債務者が相続人になったと知った場合、大急ぎで相続登記に必要な書類を用意し、裁判所に仮差押を求め、法定相続分による相続登記を債務者に成り代わって登記申請して(代位登記)、債務者の持分に仮差押の登記を入れる。そのあと、債務者やほかの相続人に対して弁済を求めることになります。
滅多にないことを言って・・・と、思われるかもしれませんが、年間何件かは代位登記のご依頼があります。この登記により、借金が債務者の問題だけでなく、他の法定相続人にとっても、他人事ではなくなってくるのです。

これが、遺産分割でなくAさんが相続放棄をしていたとしたら、事情が違ってきます。相続放棄の効果は、その相続に関しては、初めから相続人でなかったものとみなされます。そして、この効力は絶対的で、誰に対しても登記がなくても主張できるというもので、持分の上の差押も、無効、空振りとなります。相続放棄のような身分行為は他人の意思により強制されるべきではなく、また、債務者の財産を積極的に減少させる行為ではないので、いくら弁済がなかったとしても、債権者は口出しできません。これだけ強い効力をもつ相続放棄。それだけに、自己のために相続が開始したことを知ったときより3ヶ月以内に、家庭裁判所に放棄の申述をする必要があります。相続人となるかどうか、早い決断が必要となります。

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亡くなった兄弟が、長年、消費者金融からお金を借りていたとき、相続人はどうすればいいでしょうか?

自分が相続したと相続人だと知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄すると、申述すれば、初めから相続人とならなかったものとみなされます。明らかに、マイナス財産がプラス財産を超えている場合は、相続放棄をするというのも一つの選択です。支払いを免れます。

とは言っても、長年借入れと返済を繰り返している場合、取引履歴を消費者金融から取り寄せて、利息制限法の金利に引き直して計算をすると、逆にお金を返してもらえる場合があります。相続人が、借入れと返済の状況を知らなかったとしても、この取引履歴によって、計算はできます。 カードや取引明細があれば、どこから借りていたかの手がかりになります。

そこで、急いで相続放棄しないで、先ずは取引履歴を取り寄せてみることをお薦めします。3ヶ月で明らかにならない場合は、裁判所で期間の伸長を求めることもできます。また、限定承認といって、積極財産と消極財産の全てを相続するが、債務などの負債は承継した積極財産の限度内でしか、責任を負わないという方法もあります。相続放棄をするか、限定承認を選ぶかは、資産や相続人間の事情によっても一概にどちらがいいとは言えませんが、手続としては明らかに限定承認の方が重たい手続となります。

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DVで子どもから虐待を受けています。子どもに遺産が行かないようにしたいのですが、その方法はありますか?

DVには、肉体的虐待だけでなく、年金を取り上げる等という経済的な虐待や侮辱的な言葉を言い続けるといった精神的な虐待もあります。

子どもさんの場合、例え遺言をもってしても、「遺留分」を主張される場合があるので、思う通りにならないかもしれませんが、DVということであるなら、遺言を書くと同時に、その子どもさんの廃除の意思表示をしておきます。遺言執行者から家庭裁判所に廃除の請求をして、認められた場合は、相続人から廃除されて、「遺留分」も剥奪されるという強力な効果があります。

実際に、主観的な理由だけでは家庭裁判所で廃除の判断が下るというのは難しいと聞いていますので、客観的な資料を揃えておきます。

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共同相続人の中に、認知症の人がいます。遺産分割協議はどうすればいいのでしょうか?

相続人の中に、認知症などで遺産分割ができない方がお一人でもいらっしゃると、相続手続きはストップします。成年後見人の申立をした上で、遺産分割協議の内容を示して、後見人が家庭裁判所に許可を求めることになります。
そして、法定相続分を確保することを後見人は求められます。

最高裁判所の「成年後見関係事件の概況」によると、後見人を申立てる動機の1割が、遺産分割協議であるといいます。現預金であれば分けられますが、遺産の殆どが居住用不動産で、しかも相続人の一人が居住している場合、分けようがないから仕方がないでは、すみません。
不動産を相続して取得する人が、自分の預金から相続分相当額を代償として支払えるならいいですが、それができなければ、売却してお金で相続分に応じて分けることになります。

遺言が必要なケースです。

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不動産以外に遺産がないという場合の遺産分割協議は、どういう方法がありますか?

主な財産は店舗兼用住宅ひとつという相続で、かれこれ20年ほど前から、遺産分割が整わないケースがあります。

遺産の中で、不動産が占める割合は多いケースだと思います。その不動産を一人が相続する場合、他の相続人の相続分が宙に浮いてしまいます。この問題解決の方法として、「代償分割」があります。多くを相続した方の固有の財産から、他の相続人にいくらか支払う方法です。この場合、遺産分割協議書に、その旨を書き入れておきます。それができなければ、不動産を売却して、相続分に応じてお金で分けるしかありません。

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遺産分割さえ整えば、相続登記は急がなくてもいいと聞きました。問題ないでしょうか?

やはり、相続登記は速やかになさって下さい。

AさんBさんが、Aさんに相続させる内容の遺産分割をしていても、Aさんが、自分に相続登記をしていないと、突然第三者が現れて、勝手にAさんBさんの法定相続分に従った相続登記をした上で、Bさんの共有持分を差押えられる事態に陥ることがあります。

もう一人の相続人Bさんが、例えば借入債務の支払いを滞ったり、自動車事故を起こしたが賠償金を支払えない場合。そんな時に、貸し主や被害者が、Bさんに代わり、法定相続分に従って相続登記をして、差押をすることができるのです!「いえいえ、遺産分割協議をして、Aさんが単独所有しましたから」と、言ってみても、簡単に債権者は応じてくれません。相続登記はどうぞ速やかになさって下さい。

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相続手続きでは、戸籍を集めるのが苦労だと聞きましたが、それはどうしてですか?

預金通帳の残高に関わらず、どちらの銀行においても相続手続きに戸籍は必要です。

戸籍は、相続人の確定に使います。相続の場面では、ご本人が生まれてから(正確には、12・3歳から)亡くなるまでの戸籍謄本を揃え、子どもが他にいないことを証明します。子どものいらっしゃらない方は、そのご両親や、ご両親が既に亡くなっていると、父方・母方の祖父母の存否を戸籍で確認します。尊属もいらっしゃらなければ、兄弟姉妹が相続人になります。そうなると、父親の生まれてから亡くなるまで。母親の生まれてから亡くなるまでの戸籍が必要になってきます。

集めた戸籍が大きめのショッピングバックにいっぱいとなったことがあります。積み上げると、10㎝を超えることはめずらしくありません。本籍地が一箇所とは限りませんので、順番に遡って集めていくことになります。相続人が亡くなっていれば、またその方の生まれてから亡くなるまでの戸籍が必要です。なので、戸籍を集めることは大変だと思います。

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尊厳死宣言をしたいのですが、どうすればいいですか?

「尊厳死」とは、一般的に回復の見込みのない末期状態の患者に対して、生命維持治療を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせることをいう。」と、解されています。尊厳死宣言は、公正証書で作成することをお勧めします。公証役場で作成する「尊厳死宣言公正証書」は、本人が自らの考えで尊厳死を、即ち、延命措置を差し控え、中止する旨の宣言をし、また、家族も予めそれを了解していること、また、医師を捜査や訴追の対象にしないことを望むといった内容になっています。公証人の基本手数料は11000円。ご本人の印鑑証明書、戸籍、家族の了解書と印鑑証明書が必要です。

内容も、できるだけ一般的なものの方が、結局、希望が叶うのではないでしょうか。成年後見人にも、医療行為の中止を申し入れることはできませんので、そのようなご希望があるなら、尊厳死宣言をなさっておいていただきたいです。
尊厳死宣言について、詳しくは、こちらをご覧ください。
(http://ameblo.jp/sai-shihou/entry-10661067351.html)
(http://mbp-osaka.com/sai-shihou/column/4975)

注意すべきは、信頼できる人に預けておくこと。貸金庫などに仕舞い込んでしまうと、必要なときに取り出せません。そして、継続的に関係を保持しておくこと。尊厳死宣言を預けていることを他の方にも伝えておくと、いざというとき、二重、三重のリスクヘッジとなります。普段より、主治医の先生には、最後の治療方針の希望を常々お話ししていて下さい。但し、救急車で、全く知らない病院に運ばれるということもありますから、尊厳死宣言は大切なわけです。

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遺言作成のために公証人は出張してくれますか?

病院でも、ご自宅でも出張はしてもらえます。遺言者は日本中どこの公証役場でも公正証書遺言を作成できますが、公証人に出張してもらって遺言を作成するには、管轄というものがあります。大阪府下に出張であれば、大阪法務局管内の公証役場の公証人、兵庫県下に出張であれば、神戸地方法務局管内の公証役場の公証人である必要があります。

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シングルで子育てをしています。万が一に備えて、未成年者の子のためにできることはありますか。(未成年者後見人の指定)

考えたくないことですが、自分がいなくなった後の未成年の子を心配するのは親として当然のことですね。未成年者に対して最後の親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができます。合わせて、遺言で、未成年後見人監督人を指定することもできます。親権者が、遺言で未成年後見人を指定していない場合には、家庭裁判所がこれを選任します。

なお、後見人となることができない人は次の通りです。
1.未成年者
2.家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
3.破産者
4.被後見人(未成年者)に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
5.行方の知れない者

「親権を最長で2年停止できる」新制度を柱とした民法改正案が平成23年5月27日成立しました。施行は平成24年4月。それによりますと、今までは、未成年後見人は一人しかなれなかったところ、個人または法人の複数後見人を認めています。

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遺言を書いても、遺留分を主張されることがあると聞きました。何か、防ぐ方法を教えて下さい。(遺留分の放棄)

遺留分を被相続人の生前に放棄してもらい、遺言を書いて下さい。

遺留分とは、一定の法定相続人に保証される相続財産の一定割合のことです。兄弟姉妹以外の法定相続人には、遺留分があります。
この制度の趣旨は、遺言や贈与といった被相続人の相続財産処分の自由と、法定相続人の生活保障のバランスを図るところにあります。

それだけに、遺留分の放棄には家庭裁判所が関与して、
1.申立が自由意思に基づくものか
2.放棄の理由に合理性・必要性があるのか
3.代償性があるか
といった点を審査して、許可するかどうかを審判することになっています。なかなか、ハードルが高いです。

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長男に「相続させる」旨の遺言は、その長男が遺言者の死亡以前に死亡した場合、有効ですか?

長男に「相続させる」旨の遺言は、その長男が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、遺言者が長男の子に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、遺言の効力は生じず、遺言がないものとして推定相続人間で遺産分割をすることになります。

長男が既に亡くなっていれば、長男の子に相続させたいと考えているなら、そのような遺言を遺す必要があります。

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在外邦人の遺言について教えて下さい。

在外邦人の遺言は、民法に規定があって、公正証書遺言は、日本領事館に出向いて作成することができます。
領事館が、近所にあるとも限りません。その場合は、遺言の方式の準拠法に関する法律によります。つまり、遺言の方式については、次のいずれかの一つに適合すると、方式を備えていることとなります。

1.行為地法
2.遺言者が遺言の成立又は死亡の当時国籍を有した国の法律
3.遺言者が遺言の成立又は死亡の当時住所を有した地の法律
4.遺言者が遺言の成立又は死亡の当時常居所を有した地の法律
5.不動産に関する遺言について、その不動産の所在地法

ただ、遺言の内容については、適用される法律は、なかなか複雑です。日本法が当然に適用されると思い込まないで、まずはご相談ください。また、領事館で公正証書遺言を作成するにしても、領事が遺言について、法律相談をしてくれるとは思えませんので、より以上に、専門家とのご相談が大切です。

人が生活している以上、現地の銀行預金もあるでしょう。金額の多少とは関係なく、簡単ではないのは、世界中どこでも同じです。

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重体で意識がなくなっていましたが、今、回復しています。どうやって遺言をすればいいですか?(危急時遺言)

病状が重篤であっても、一時的に回復した患者さんは、一般危急時遺言ができます。

一般危急時遺言は、
1.死亡の危険が迫った状態にあること
2.証人3人以上の立会いがあること
3.遺言者が、証人の一人に口授すること
4.口授を受けた証人がこれを筆記し、遺言者と他の証人に読み聞かせること
5.証人が、その筆記が正しいことを確認して、署名捺印すること

もっとも、あくまでも危急時限定ですので、その後回復した場合は、そうなってから6ヶ月生存するときは、その効力がなくなりますので、ご注意下さい。この遺言は、自筆証書遺言と同じく、家庭裁判所での検認手続きが必要となります。

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遺言と死因贈与の違いを教えて下さい。

自分が亡くなったときに効力が生じる始期付き契約のひとつに、死因贈与契約があります。契約であるところが、遺贈とは違うところです。不動産を死因贈与してもらう場合に、始期付き所有権移転仮登記(始期 ○○の死亡)をしておくことは有効です。遺言と違い、確実に財産を受け取ることができます。
ここまでは、私文書でも、登記は問題なくできるのですが、できれば、先々のこと、効力発生の段階になったときを考えて、公正証書で執行者を指定しておきたいです。

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農地の遺贈には、農地法の許可は不要でしょうか?

農地について遺言するにあたっては、農地法の問題を避けて通ることはできません。
特定遺贈では、農業委員会又は都道府県知事の許可が必要ですが、包括遺贈では、この許可は必要ありません。

農地について、売買や贈与をするときは、農業委員会又は都道府県知事の許可が必要です。権利を取得する人は、誰でもいいのではなく、農家の資格のある人や農業生産法人など限定です。農家の資格というのは、ある一定規模以上の農地を耕作している人で、本当に耕作できるかどうかという基準で判断されているようです。

農地を相続する場合は、法定相続であろうと、遺産分割によろうと、この農地法の許可は必要ありません。もちろん、遠方に住んでいようと、農地を一切持っていなくとも、問題ありません。

相続人以外に、この田や畑を遺贈するといった特定遺贈の場合は、許可が必要です。遺言執行者が農業委員会等の許可を取ることになりますし、もらう側には農家の資格が必要ですので、誰に遺贈してもいいというものではありません。

もっとも包括遺贈であれば、相続人と同じと考えますので、許可は必要ありません。その後、相続人に加わって遺産分割協議して取得した場合も同様です。

平成21年12月施行の改正農地法では、農地を相続(包括遺贈)した場合は、許可は不要ですが、届け出が必要となりました。怠れば、10万円以下の過料です。

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夫婦一緒に遺言はできますか?

夫婦互いに一つの遺言をすると無効となってしまいます。そういったご相談には、夫婦別々に「遺産は配偶者に」という遺言をすることをお薦めしています。

でも、本当のところは、それで十分ではないのです。
なぜなら、遺言があっても、子からの遺留分減殺請求を防ぐことはできないからです。遺留分減殺(いりゅうぶんげんさい)請求権とは、法定相続分の半分までは、遺言によっても奪われるものではない、相続人に認められた権利で、取り返すための請求権です。残された配偶者が実の親子でない場合は、一番問題が先鋭化します。

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包括遺贈の場合の注意点は何ですか?

遺贈には、贈る目的物がはっきりとしている特定遺贈とは別に、全財産に対して、割合をもって表す包括遺贈があります。

包括遺贈とは、「この不動産を○○に遺贈する。」という遺贈ではなく、「全財産を△△に遺贈する。」や、「全財産の2分の1を□□に遺贈する。」というものです。包括受贈者は、相続人と同一の権利義務を有します。つまり、プラスの財産もマイナスの財産も引継ぐことになりますので、相続人に混じって遺産分割協議に参加することになりますし、借金も、遺贈で受けた割合で承継してしまうのです。

まさか、借金を押しつけようと遺言を書くこともないでしょうが、遺言者が遺言を書き残したときには、プラスの財産を贈るつもりで、その後、経済状態が破綻してしまった場合など、あり得ます。

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包括遺贈をされましたが、どうやら借金が沢山あるようです。辞退できますか?(包括遺贈の放棄)

相続放棄と同じ手続きで、包括遺贈の放棄ができます。
自分が包括受贈者になったと知ったときから3ヶ月以内に限りですが、家庭裁判所に放棄の申述をしてします。

包括遺贈を受けて、遺言者が借金など残していないかどうか心配な場合は、全国銀行個人信用情報センターや、株式会社シー・アイ・シーあるいは株式会社レンダースエクスチェンジなど、銀行系やクレジット・信販系、消費者金融系などの信用情報機関を利用してみて下さい。

この期間を過ぎますと、包括遺贈を承認したとみなされますのでご注意下さい。なお、特定遺贈では債務を引継ぎません。

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臓器提供の意思表示を遺言ですることはできますか?

平成22年10月から、運転免許証の裏に、臓器提供の意思表示欄ができました。もちろん、これ以外にも、臓器提供の意思表示をする方法はあります。
ただ、遺言にその旨書いたとしても、自筆証書遺言の場合は、開封すらされないので、役にたちません。

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遺言書に、どこまで詳しく書いたらいいですか?

遺言にどこまで書くか。よく、ご相談いただきます。いざ、遺言書が役にたつときにはっきりと特定できるように、詳しく書いていただくのが基本です。

1.不動産については
所在 ○市○町
地番 ○番
地目 宅地
地積 100㎡78
所在 ○市○町○番地
家屋番号 ○番
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 80㎡35  2階 65㎡20

と、固定資産税の納付書などではなく、登記事項証明書を見ながら書いて下さい。登記事項証明書は、権利証と一緒に保管なさっているかもしれませんし、お近くの法務局でも請求できます。

2.預貯金
銀行名と支店名は必須です。預金の種目、定期預金だとか普通預金の別。この辺りまで、書きましょう。口座番号まで書いていると完璧なようですが、いざというときまでに、口座が増えたりする場合もあり、難しいところです。

3.株式は、これも売ったり買ったりと変動する場合は、証券会社名は書いておくといいですね。
変動するということを前提にすると、銘柄と株数で特定していた場合、いざという時にその銘柄を持っていないかもしれませんし、株式分割などで株数が増えているかもしれませんね。
長期保有目的の株式などは、銘柄で特定してもいいです。

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母が、自筆証書遺言を残して亡くなりました。検認手続きが必要と聞きました。説明いただけますか?

自筆証書遺言を、勝手に開封してはいけません。保管者または見つけた人は、亡くなられた方の住所地を管轄する家庭裁判所に、開封せずにその検認の請求をします。郵送でもかまいません。

ところで、検認(けんにん)とは何でしょうか?聞き慣れない言葉ですね。これは、裁判所で遺言書の変造・偽造・隠匿を防ぐと共に、確実に保存するための手続きです。申立人が、相続人全員の住所・氏名・電話番号を明らかにして申立て、期日に遺言書を家庭裁判所に持参します。戸籍も、被相続人の相続人全員がわかるだけの戸籍、即ち、生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍の提出が必要です。急いで銀行から出金がしたいといったときにも、お待ちいただくことになります。遺言書の写しを提出します。裁判所は書類を確認したうえで、相続人に期日を連絡して、裁判官の面前で開封することになります。つまり、なかなか時間がかかります。
勝手に開封したり、遺言がなかったことにすると、5万円以下の過料に処せられますので、ご注意下さい。

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自筆証書遺言では、日付の間違いはどうなるのでしょうか?

自筆証書遺言の日付は重要です。

抵触する遺言の部分は、後で書いた遺言が有効です。
平成21年1月1日の遺言では、息子さんに相続させる。
平成22年1月1日の遺言では、息子さんと娘さんに各2分の1相続させる。
すると、後に書いた方が有効で、息子さんと娘さんが各2分の1相続します。

平成でも西暦でもかまいません。年月だけでは不十分で、年月日まで必要です。「60歳の誕生日に」でもかまいません。そうはいっても、やっぱり、普通に年号+年月日を書いて下さい。
遺言を書くご本人には、思いもよらないことかもしれませんが、後から、その頃は入院していたとか、とても遺言ができるような状態ではなかったとか、クレームが出たときに、遺言能力があったことを判断する、重要な判断材料でもあります。
間違って、平成21年を平成22年と書いてしまった場合は、判例には、誤記であること及び真実の作成日が遺言の記載その他から容易に判明できる場合には、直ちに無効となるものではないと判断したものがありますが、ケースによるのでしょうか、難しいですね。特に、お正月は間違えやすい?ので、カレンダーを手元に置いて書きましょうか。

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自筆証書に書く氏名は、通称名でもいいでしょうか?

氏名は、戸籍上の名前を書いて下さい。通称でも、芸名でも、屋号でさえ、遺言の内容から本人の同一性を認識できれば、問題ないとされています。それでも、やはり本名で書いていただきたいです。そうでないと、預金や不動産など、手続きに困ってしまいます。

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遺言で、遺す相手の名前は本名しか有効ではないでしょうか?

遺言では、相続させる相手や、遺贈する相手の特定に注意して下さい。やはり、戸籍上の名前を書いていただきたいです。もっとも、自分の子どもならいざ知らず、親戚でも、常日使っている文字が戸籍上の名前かどうか、案外知らないことがあります。字画が悪いとかで、名前を変えている方がいらっしゃいますが、それは戸籍上の名前でない可能性が高いので、ご本人に確かめるか、生年月日やご本人との関係などを書いて、客観的に特定できるように留意いただきたいです。
ただ、遺言を実現するために苦労しそうです。

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自筆証書遺言には、実印で押印する必要がありますか?

印鑑は、実印に限らず、認め印でも、拇印でもかまいません。拇印が印になるのか、よく考えると不思議ですけれど。もちろん、割り印も必要ありません。でも、「私は実印で、割り印もして下さい!」と、アドバイスさせていただいています。「本人が書いたものじゃない!」だとか、「2枚目は別人のものだ!」とか、すきを見せないようにします。署名の下に押印が普通ですが、なかったからと言っても諦めないで下さい。最高裁判所は、遺言書本文の入れられた封筒のとじ目に押印があるとして、押印があるから有効とする判決を出しています。

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不動産が沢山あるので、エクセルでリストを作って、遺言に別紙の形式で付けるのは、問題ないでしょうか?

たくさん財産の場合、エクセルで財産のリストを作ったら便利ですが、自筆証書遺言にそのリストを使うことはできません。全文自筆を呉々もお忘れなく。

広い土地を分筆して、東側をお兄さん、西側を弟さんに相続させたいと思い、土地家屋調査士に依頼して分筆図面まで用意しました。せっかくなら、この図面を使って遺言を作りたいのですが、残念ながら、自筆証書遺言は使えません。
この場合は、公正証書遺言を作りましょう。

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公正証書遺言は証人が立ち会うので内容を秘密にできないというのは、具体的にはどういうことですか?

証人さえ配慮すれば、遺言の秘密は守られるというのが、実際だと思います。

遺言のご相談をいただいて、やはりお薦めするのは公正証書遺言です。遺言のお仕事では、内容についてご相談者と良く検討した上で、遺言要旨を作り、公証人に作成を依頼します。公証役場で遺言を作成する際、証人としてご希望いただけば、佐井司法書士法人の司法書士もしくは補助者が立ち会っています。

もちろん、公証人も司法書士も守秘義務がありますので、秘密の点で安心です。また、公証役場で原本を、ご本人と私とで正本と謄本を保管していますので、紛失・秘匿の点でも安心です。遺言を作るのに、ご近所の公証役場でなくても大丈夫ですので、どうしても気になる場合は、少し遠出なさってもいいですね。ご遠慮なくご相談下さい。

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遺言の撤回はできますか?

もちろん、できます。
例えば、自筆証書遺言の場合、一番簡単なのは遺言書を破棄してしまうことです。遺産を受ける人にその遺言書を預けている場合は、例えば、◇◇銀行○○支店定期預金口座No.××を遺贈するとしていれば、その口座は解約してしまう。あるいは、配偶者に相続させるとしているところ、離婚する。(穏当ではありませんが、あくまで例えです。)当該不動産を売却・贈与してしまう。これら、全て遺言の撤回となります。

改めて、遺言で、同じ物について他の人に相続させるもしくは遺贈する。同じ物について複数遺言が見つかると、日付が遅い方が有効となるからです。

もう少し明確にするなら、「年月日付自筆証書遺言はその全部を撤回し、改めて次のとおり遺言する。」と、遺言書を作成する。

但し、破棄・焼却は、公正証書遺言には通じません。公証役場に保管されていますから。ご注意下さい。遺言は人生の最後に書くもの等と思っていると、結局書きそびれてしまいます。状況が変わったり、気が変わるかもしれないと思われるのかもしれませんが、撤回する方法を知っていれば、少しハードルが下がるのではないでしょうか。

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一度、遺言を書いた事がある方のですが、今回、書き直そうと思っています。注意すべき点はありますか?

遺言のご相談を受けるとき、必ず「今までに遺言をしたことがありますか」と、お尋ねします。
書いたのは随分前だから・・・、と安心してはいけません。

もし、古い自筆証書遺言があれば破ってしまえば心配なし。でも、自筆証書遺言がどこにあるかわからないか、あるいは公正証書遺言であれば、破っても公証役場に原本が保管されているので、今から作る遺言には、最初に全部撤回するとした上で、一から全ての財産について遺言をし直すようにします。その場合、自筆証書遺言は発見されなかったり紛失するといったことがありますので、絶対に公正証書遺言がお薦めです。

いざという時、もはやご本人にその遺言の本意を尋ねることはできないのですから、遺言に解釈の余地を残すようでは失敗です。そんなつもりで、遺言の文章を考えます。

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遺言の撤回を撤回したいのですが、どうすればいいですか?

遺言を撤回すると、最初の遺言はなかったことになります。その2回目の「撤回の遺言」を更に撤回すると、最初の遺言はどうなると思いますか?

例えば
➀「この本をあげます。」
➁というのは「止めた。」
➂というのは「止めた!」一般生活では、結局本をあげるということですね。

民法ではこの場合、「この本をあげます。」という➀の遺言の効力は回復しないとされています。つまり、「この本はあげない。」ことになります。

もっとも、➂の遺言で、「➁の遺言を撤回し、➀の遺言を有効とする。」とした事案では、最高裁判所は、民法の規定に関わらず、「この本をあげる」という➀の遺言の効力の復活を認めました。遺言者の真意を尊重して、解釈で助けました。これから遺言を書くなら、「➁の遺言を撤回し、“この本をAさんに遺贈します”」と、して下さい。

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公正証書遺言作成のための証人2名は、どんな人がなれますか?

公証役場で遺言を作成する際には、証人2名の立会が必要です。証人とは、ご本人に人違いのないことや、精神状態に問題がないこと、つまり遺言が確かに成立し、遺言の内容も本人の意思に沿ったものであることを証明する人のことです。

「なりすまし」公正証書遺言を本人になりすまして作成したという事件がありました。証人をご自分で頼めないというので、公証役場が証人となってくれる人を紹介したケースです。驚かれるかと思いますが、面識がないと証人になれないという規定はありません。

では、証人になれない人とは・・・
1.未成年者
2.遺言を作成した時点で真っ先に相続人となる人やその配偶者・直系血族
3.遺贈を受ける人やその配偶者・直系血族
4.公証人の使用人など

証人が揃わないときは、死因贈与契約を公正証書で作成するという方法もありますが、旧知の証人でなくても、本人確認を公証人が厳格に行うという方が現実的ですね。もちろん、遺言の準備からお手伝いさせていただいて、証人もお引き受けさせていただいております。

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外国国籍の場合、遺言をしておいた方がいいと聞きました。私は、既に帰化しているので心配ないですか?

平成20年、全国で13218人が帰化を許可されました。外国国籍の方に限らず、帰化された方、帰化したご両親の間に、最初から日本人として出生した方であっても、是非、遺言をしていただきたいです。

以前、お父様の遺言による相続登記をご依頼いただいたことがありました。久しぶりのご連絡に、お母様がお亡くなりになったことを知りました。依頼者・ご両親とも帰化をして日本国籍を取得され、戸籍もあります。
遺言による、お父様の相続登記では、遺言書と戸籍2通で、相続登記を申請しました。お母様には、遺言書がありませんでした。
台湾出身のお母様について、台湾において生まれてから、来日して帰化するまでの戸籍を、故郷の親戚に取り寄せてもらうために、台北駐在大阪経済文化辨事処に相続人が出向いて、委任状の認証を受け、故郷の親戚に送って戸籍を取り寄せました。そして、その戸籍を再び認証してもらい、翻訳を依頼し、ようやく遺産分割協議をして登記申請に至りました。

遺言の有無で、こんなに手続きが違います。たとえ、相続人一人の場合でも、遺言の用意をなさって下さい。

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夫婦間贈与で贈与を受けたあとの注意点を教えて下さい。

婚姻期間20年以上のご夫婦間で、マイホームを贈与した場合、2000万円まで配偶者控除の適用を受けることができます。
土地建物を共に贈与する場合、建物は、市役所の固定資産税評価額そのままの金額、土地は、税務署の路線価を使って計算した額の合計で、基礎控除110万円を合わせて、2110万円までであれば、贈与税は課税されません。

配偶者控除の制度は、一生に一度しか使えないので、できるだけ多く贈与したい場合は、新年度の路線価が発表される夏以降に、贈与するのをお薦めしていますが、路線価が急騰したとしても、十分2110万円に収まると思えば、ご夫婦にお目にかかり、贈与登記の手続きをさせていただきます。贈与登記の登録免許税率は、固定資産税評価額の20/1000、不動産取得税は課税されますので、こちらの備えはお忘れなく。

そこで、ご質問ですが、もし、お子様のいらっしゃらないご夫婦の場合は、遺言も書いていただきたいのです。お子様のいらっしゃらない、A夫さんとB子さんご夫婦。A夫さんに万一のことを心配して、マイホーム贈与を受けたB子さんが、先に亡くなってしまった場合。

その法定相続人としては
配偶者A夫さん+B子さんのご両親
↓ (どちらもいらっしゃらなければ)
配偶者A夫さん+B子さんの祖父母など尊属
↓ (どちらもいらっしゃらなければ)
配偶者A夫さん+B子さんの兄弟姉妹
↓ (ご兄弟が先に亡くなっていれば)
配偶者A夫さん+B子さんの甥姪
↓ (どなたもいらっしゃらなければ)
配偶者A夫さん

もともと、A夫さんが建てたマイホーム。A夫さんがマイホームを確保するには、法定相続人全員との遺産分割協議が必要となります。夫婦間贈与を済ませた後、遺言のお話しを少しさせていただいています。

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公正証書遺言は、役場で保存してもらえるので安心と聞きました。いつまで保存してもらえるのですか?

大阪市には、梅田・江戸堀・本町・上六・平野町・難波と、何れも便利ないいところに公証役場があります。年々、公正証書遺言を作る人が増加していて、また、何度も書き換える人もいて・・・2008年には全国で約76000件と伸びてきています。

増える一方の遺言書ですが、いつまで保管してもらえるのかといえば、公正証書は原本を役場に20年保管するのが原則です。但し、遺言も公正証書ではありますが、20年では役に立たないということで、一応、100歳までという基準があるとのお話しを公証人から伺いました。

でも、100歳を超える高齢者も大勢ではないでしょうか?との問いには、事実上、遺言は作成順に綴りこんであるので、生年月日を見て、150歳となっておられるとしても、綴りから抜き出すことはできないので、実際には、ずっと保管してもらっているということです。つまり、遺言書を紛失しても破っても、公証役場に原本はあるので、執行可能となります。

遺言作成費用が高いとか安いとか、感想は色々でしょうが、向こう何年間も保管し続けてもらえると考えれば、価値はあると思っています。公正証書遺言をお勧めする理由の一つです。

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成人でなくても、遺言は書けますか?

15歳以上で、なおかつ遺言をするときに遺言能力を有していれば、遺言をすることができます。
「遺言能力」とは、「意思能力」と同じく、自分の行為の結果を判断することのできる精神的能力です。意思能力さえあれば、成年後見人や保佐人、補助人のサポートを受けている方も、単独で遺言ができます。(但し、被後見人については、医師2人以上の立ち会いが必要です。)
自己に不利な遺言の効力を否定するために、「遺言者には遺言能力はなかったはずである!」という主張をよくします。遺言能力の存否は、個別具体的な判断によるため、判例は沢山あります。
裁判所は、どのような事柄に注目して判断するのでしょうか。
東京地方裁判所平成16年7月7日判決(判タ1224/288)をご紹介しましょう。自筆証書遺言において、「遺言能力の有無は、遺言の内容、遺言者の年齢、病状を含む心身の状況及び健康状態とその推移、発病時と遺言時との時間的関係、遺言時と死亡時との時間的関係、遺言時とその前後の言動及び精神状態、日頃の遺言についての意向、遺言者と受遺者との関係、前の遺言の有無、前の遺言を変更する動機・事情の有無等、遺言者の状況を総合的にみて、遺言の時点で遺言事項を判断する能力があったか否かによって判定すべきである。」

例え、遺言者が本心から作成した遺言書であったとしても、裁判所ではあらゆる角度から検証されることになるようです。「書きさえすれば安心」ではなく、いかに備えるか。そのためにも、遺言書作成にあたっては、第三者に相談をするというプロセスは大切です。

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自筆証書遺言の検認(けんにん)手続きについて説明して下さい。

検認手続きは、遺言書の偽造、変造を防止するための一種の検証手続きで、公正証書遺言以外の全ての遺言において必要な手続きです。遺言書の保管者、いなければ発見した相続人が申立権者であり、義務者となります。これをしないと、5万円以下の過料に処せられますのでご注意下さい。

家庭裁判所に、急いでいるから当日にお願いしますと言っても、必ずしも相続人全員が集合する必要はありませんが、指定された期日に改めて相続人が立ち会い、ここで初めて開封することとなります。

家庭裁判所で検認された自筆証書遺言については、遺言書原本が破れたり紛失したりしても、検認調書謄本によって遺言執行は可能となります。

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遺言執行者の辞任・解任について教えて下さい。

遺言執行者にいったん就任すると、簡単には辞任できません。たとえ、遺言書で指定していたとしても、辞退することはできます。代わりの執行者は、家庭裁判所が選任してくれますので、心配無用です。

ところが、いったん遺言執行者に就任すると、勝手にはやめられません。その場合、「正当な事由」が必要で、その有無は家庭裁判所が判断します。「正当な事由」とは、長期の病気や出張、多忙な職務などです。

遺言執行も辞任もしてくれないときは、利害関係人から家庭裁判所に対して、解任する審判を求めます。解任は、「任務の執行を怠ったとき」「その他正当な事由があるとき」と、裁判所が判断したときに認められます。例えば、全く何の仕事もしないとき、あるいは一部の行為しかしないとき。また、長期の病気や不在、相続人の一人に有利な取扱いをする等といった場合。

相続手続は、ともかく、時間と手間がかかります。基本的に、誰かに代わってもらえるものではありません。執行者に指定されているのを知った時、よく考えて・・・、辞退するならその時です。その時なら裁判所に関係なく自由にできます。

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遺言には、遺言執行者を定めておかないといけませんか?

遺言には、遺言執行者を定めることもできるし、定めないこともできます。
遺贈では、遺言書で遺言執行者を定めておかないと、すぐに遺言を実現することができません。この場合、共同相続人全員の協力のもと、受贈者に財産を引継ぐか、あるいは、家庭裁判所に遺言執行者を定めてくれるように、申立てをするしかありません。候補者を申立人自ら選ぶことはできますが、必ずしもその人が選任されるとは限りませんし、選任されるまで、時間がかかります。従って、遺贈には遺言執行者を定めておくことが大切です。

遺言執行者の責任は重く、利害関係人の矢面に立つ場合もあり、誰でもいいというわけにはいきません。ただ、内容によっては、遺贈を受けた人「受贈者」自らが、遺言執行者になることもできます。

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遺言執行者の仕事初めには、どんなものがありますか?

遺言執行者になったら、まず就任承諾をし、速やかに相続財産の目録を作成して、相続人に交付します。その際、遺留分のない相続人(兄弟姉妹)にも例外なく行います。

遺言執行は、相続人や受遺者に就任承諾をした上で始めます。この通知に、遺言書のコピーを同封しています。

遺言を確認してから、就任を辞退することもできますが、一旦、引き受けると、辞めることはよほどのことがない限り難しいですので、慎重に判断する必要があります。就任するなら、全相続人と受遺者などに、就任の通知をします。就任してからは、速やかに相続財産の目録を作成します。もちろん、特定の財産についてのみの遺言であれば、それに限定します。そして、これは相続人全員に交付する必要があります。相続人の請求があるときは、その立会いをもって相続財産の目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければなりません。

注意いただきたいことは、遺産を受け取らない相続人、遺留分のない相続人に対しても、財産目録を交付する必要があることです。こっそりと遺言執行するわけにはいきません。顔をみるのも嫌な関係なら、公証人の力を借りましょう。

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遺言執行者が貸金庫を開けるとき、注意することはありますか?

相続人間で紛争の恐れがある場合は、貸金庫の内容物の確認のため、公証人に「事実実験公正証書」の作成を依頼するぐらいに慎重にすることがあります。
「事実実験公正証書」は、法律行為を対象とした売買等の契約のほか、五感の作用により直接見聞した事実を記載した、公証人の作成する文書で、証拠保全の機能があります。しかも、証拠保全という意味では、銀行員の立会も第三者によるものですが、公証人の場合は公務員であるため、それは公文書となり、裁判上、格段に高度の証明力を有します。

相続人が、銀行の貸金庫を開けるのはとりわけやっかいです。相続人確定のための戸籍一式と、相続人全員の印鑑証明書に全員の同意書・・・etc.相続人全員が銀行に集まって、開扉するのですが、遠方の相続人は、委任状で対処することができます。

遺言執行人の場合、その権限により銀行に開扉を請求できますが・・・、相続人など利害関係人の納得のため、つまり、何が入っていたか、誰も何も貸金庫から取り出していないことを証拠保全するためにも、公証人に出張を依頼して行います。

遺言執行者と相続人のうちの誰かの立会いのもと開扉、というのだけは避けないといけません。

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相続人に相続させる遺言には、遺言執行者の定めは必要ありませんか?

株や不動産を持っていなくても、預金は大概あると思います。
法定相続人でない方に財産を遺す場合はもちろん、相続人の内のおひとりに残そうというときにも、遺言執行者を定めておくようにしています。

折角、遺言があっても、銀行によっては相続人全員の印鑑を求めるという場合があるためです。全てのケースで有効かはわかりませんが、このようにしています。そして、遺言には、「遺言執行者は、相続人の同意なしに、預貯金の解約・払戻・名義書換等をする権限を有するほか、この遺言の執行のため必要な一切の権限を有する。」と、いれています。

なお、遺言執行者は、第三者に限りません。預金を相続する方を、遺言執行者と定めることもできます。

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共有者の一人が、相続人なく亡くなった場合を心配しています。国から買い取る必要がありますか?

相続人が存在しないとき、遺産は原則、国庫に帰属します。
ところが、その遺産が共有持分であった場合は、国庫ではなく、他の共有者に帰属することになります。即ち、民法第255条は、共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がいないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。と、定めています。

相続人がいない場合、相続財産管理人の選任をして公告をし、次いで、被相続人に対する債権者はいないか、遺言で財産を贈られている受遺者はいなかいかを最短2ヶ月公告し、更に、相続人捜索の公告を最短6ヶ月して、誰も現われないときに、それから3ヶ月以内に、生計を同じくしていた者や、療養看護に努めた者、その他特別の縁故があった者から、相続財産分与の申立がなかった時に、初めて、その相続財産は国庫に帰属します。もちろん、換金の後です。

その財産が共有の場合は、例外的に共有者に帰属します。ただ、共有者のもとにたどり着くまでに、先の手続きが必要です。

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亡くなった内縁の夫には相続人がいません。遺産を相続する方法はありませんか?(特別縁故者)

相続人がいない方の財産は、最終的には国庫に帰属します。
但し、故人と特別の縁故があった方は、家庭裁判所に財産分与の申立をすることができます。裁判所は、特別縁故の有無、内容、程度、相続財産の種類・内容、故人の遺志などを総合的に審理して、財産分与の相当性を判断して、相続財産の全部または一部をその対象とする審判をすることができます。

特別縁故者には、内縁の配偶者や事実上の養親子などが縁故者の典型例となります。看護師や家政婦など、報酬を受け取っておられても、それ以上に献身的に療養看護に努めた方に対しては、分与を認める審判が出ています。
遺言を書いて下さってさえいれば、裁判所のお世話になることもないのでしょうが、それでも、国庫に帰属すると早々に諦めないで下さい。

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相続人に行方不明者がいます。どうすればいいですか?

従来の住所または居所を去って、行方がわからなくなった人を不在者といいます。
戻ってくるまでの間、不在者に代わってその財産を管理する人を不在者財産管理人といいます。財産の管理が主な任務ですが、遺産分割協議に参加するなど、特別の場合には、裁判所の許可のもと財産を処分することができます。そして、不在者が現われたときに、その財産を引き渡すことを任務とします。それまでの間は、預貯金は、「不在者○○財産管理人△△」名義とし、不在者名義のままで置いておきません。

利害関係人又は検察官が、家庭裁判所に選任の請求をしますが、その際、不在者財産管理人の候補者には、親族、知人・友人、第三者が考えられます。裁判所は、健康状態や申立人との関係、不在者との貸し借りの有無などを尋ねて、相応しいかどうか、人のお金を預かる立場を良く理解しているかどうかを総合的に判断して、選任します。

なお、借金の支払いができなくなって行方不明となった場合には、財産管理人のところに請求がくる可能性があることにご注意下さい。一旦引き受けると、簡単には辞任できません。就任後は、毎年一回に加え、動きがあったときにも、管理状況の報告が必要です。

申立てには、申立人と管理人候補者が裁判所に出向いていただきますが、大阪家庭裁判所では、特に問題がなければ、即日選任されますのでご安心下さい。

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生死不明となって長期間が経ちました。生命保険の死亡保険金を受け取るのには、失踪宣告をしてほしいと言われました。どのようなものか説明して下さい。

生死不明の者に対して、法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度、「失踪宣告」が、あります。

従来の住所または居所を去った者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができます。失踪宣告を受けた者は7年の期間が満了した時に、死亡したものとみなされます。請求することができる利害関係人とは、不在者の配偶者や相続人にあたる者、不在者財産管理人などです。後で、不在者が現われたときは、利害関係人の請求により、裁判所は失踪宣告を取消すことができます。

不在者が生死不明の間に、例えば親が亡くなったとすると、不在者は相続人のひとりとなります。

まず不在者に財産管理人を選任したうえで、遺産分割協議をすることになり、その際、不在者財産管理人は法定相続分にあたる財産を確保します。そうこうしている内に、生死不明となって7年の期間が満了した時、失踪宣告を請求して、不在者の相続手続きに入ることになります。

もちろん、親族といえども、失踪宣告を請求するかしないかは強制されていません。行方不明となった方のお仕事をしていると、ご家族が、失踪宣告を申立てるかどうか決心するには、7年間は短すぎるのでしょう。もっと長期間が過ぎて、亡くなってしまったのかなと、ようやく諦めがつき、ご自身も高齢となってきて、きりをつけないといけないと思い、周りも薦めるので、それでは失踪宣告の申立てをしようと決心するというケースもあります。

失踪宣告の申立とは、一番身近な人、多くは残された配偶者が生存の可能性をあきらめて、亡くなった可能性を受け入れる行為です。ハードルが高いのも頷けます。

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公証役場で遺言を作成したはずですが、見つかりません。探す方法はありますか?

公証役場の遺言については、ご本人が遺言書を紛失しても破っても、公証役場に原本はありますので心配ありません。まず、最寄りの公証役場で、検索をお願いして下さい。
日本公証人連合会のコンピューターには、
➀遺言した人の氏名 
➁証書作成年月日 
➂作成役場
などが入力されているので、遺言者が死亡したことを証明する戸籍を持っていけば、最寄りの公証役場で遺言書の有無を調べてもらえます。わかれば、作成した役場に行って 『正本』 ・ 『謄本』 の交付を受けることができます。
詳しくは、公証役場にお問い合わせ下さい。(http://www.koshonin.gr.jp/index2.html)

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1円で会社が設立できると聞きました。本当でしょうか?

はい、会社法では資本金制度が撤廃されたため、1円でも会社は設立できます。
とはいえ、資本金は、会社の規模や信用の目安になりますので、仕事をする上で重要なものです。一概にはいえませんが、100万円から300万円くらいの資本金でスタートする会社が多いです。
もちろん、少ない資本金で設立し、だんだんに増資していく方法もありますし、現金ではなく、中古自動車を現物出資して資本金の一部にあてたケースもあります。ご相談下さい。

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有限会社は、もう作れないと聞きました。本当でしょうか?

はい、新しく有限会社は設立できなくなりました。新会社法により有限会社は廃止されたためです。既存の有限会社は、特例有限会社として存続が許されましたが、有限会社として同じような株式会社を設立することはできます。

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合同会社(LLC)について教えてください。

従来の会社は、出資の大小という基準によって、議決権や利益の分配などを決めるルールで動いていました。ところが、この合同会社は、それ以外の基準によって議決権や利益分配などのルールを社員の合意によって決めることができる会社です。
お金が無いが能力やノウハウがある人が会社を作りたいと思っても多額の設備投資が必要な場合は無理でしたが、合同会社により、定款の定め方でそのルールを自由に変更できます。
例えばAさんは能力と出資金1%、Bさんは出資金99%を出したとします。通常の会社であれば、利益配分を99%がBさんにいくことになります。これを合同会社では、利益配当をAさんに90%、Bさんに10%といった具合に自由に設定できるのです。
いろいろな使い方が考えられますが、まだまだ会社に認知されていないところはどうしようもないです。業種によっては株式会社の方がいい場合があります。ご相談下さい。

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取締役が1人でも会社を設立できると聞きました。本当でしょうか?

はい、本当です。取締役が1人でも会社は設立できます。この場合、監査役については設置しなくても大丈夫です。つまり、一人株主兼代表取締役という株式会社が設立可能となりました。このような会社の設立ご依頼が増えてきています。

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取締役と監査役の任期は10年にしたほうが良いですか?

1.銀行から融資を受ける場合
会社の登記事項証明書を提出しますが、「実際に動いている会社なのか、ペーパーカンパニーではないか?」そこからの審査となり、信用という面ではマイナス評価の可能性があります。

2.十年一昔といいますが、10年といえば任期がないも同様と思ってしまうところが心配です。10年後に、必ず登記手続きをする必要があります。忘れて、最後に登記をしてから12年間登記簿がそのままの場合には、職権で解散したとみなされます。それから登記をしても過料は免れません。会社法は、規制が緩くなりましたが、その結果の不利益は自己責任という法律です。

3. 役員解雇時の損害賠償請求
よく、取締役を解雇したいというご相談があります。その理由は様々ですが、特に慎重な対応をとアドバイスしています。つまり、任期中であれば、辞任をしてもらってくださいと強く勧めます。

なぜなら、任期の間は、基本的にはその取締役に会社の経営を株主が委任することになりますので、正当事由がなければ(取締役がよほどの問題を起こさない限りは)簡単に解任できません。手続きとしては、株主総会の普通決議で解任決議は行えますが、正当な理由がなければ、解任された取締役は、残りの任期分の報酬について損害賠償請求権が認められています。もちろん、裁判を想定して、適正な手続きを全てふんで株主総会を開催するといった慎重さが必要となります。
任期毎に、メンバーが変わらなくても役員変更登記をするという目先のコストに注目して、経費節減の提案がなされる場合があるようですが、任期が満了すれば、改選時にその取締役を再選しなければ何の問題もないにも関わらず、実際にはその何十倍、何百倍の損害賠償請求の訴訟当事者となる恐れが潜んでいる方法を選択することのないようにしていただきたいものです。
メンバー構成にもよりますが、3年後の会社を考えて経営計画をたてるとすれば、2年から長くても4年を目処に考えてみてはいかがでしょうか。

 

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会社の設立には、司法書士、行政書士、税理士、仲介業の会社などのホームページがありますが、どういった視点で選べばいいですか?

確かに、インターネット上には、たくさんの会社設立サイトがありますが、そもそも「会社設立」とは、法務局に登記申請をして会社に法人格を取得することです。その登記申請手続きは、司法書士でないとできない業務です。
それぞれの資格がありますが、仕事を依頼するときには、その本業の力量で選ぶことが大切ではないかと思っています。このホームページで、設立後の税務や労務の、あるいは許認可の届けのご案内をしていないのはそういう理由です。私どもがボトルネックになってしまって、依頼人の利益を妨げるということになっては本末転倒だということもあります。
会社の設立といっても、一つや二つのパターンではなくて、本当は様々です。私どもでは、それに対応できること。更には、一人会社から上場会社の登記手続きまで、数多くの経験と実績がありますので、設立だけではなく、今後の会社の成長に応じた対応ができるということ。会社にとっては、売掛金や請負代金の回収といったときに気軽に相談できるブレーンを作れるということです。
もちろん、税務に関しては、信頼おける税理士事務所のご紹介もいたしますし、長くおつきあいする中で、重大な法律問題が発生した時には、法律事務所のご紹介もできます。

企業法務・登記のプロとして、安心して仕事をお任せいただけます。

 

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親会社の目的には、100%子会社の目的全てを列挙する必要はありますか?

従来は、子会社の目的全てを、親会社の目的に反映させていました。子会社が目的変更する毎に親会社も同じ目的を追加するわけです。ところが、持株会社が解禁されたことにより、親会社の目的に「○○業を営む会社の株式を所有することにより、当該会社の事業活動を支配・管理すること」いう目的が認められるようになり、その都度、親会社まで変更する必要はなくなりました。

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100%子会社を設立するにあたり、注意する点はありますか?

はい、会社が他の会社の発起人となることが、当該会社の目的の範囲内にある必要があります。具体的には、定款認証の際には、発起人である会社の登記簿謄本を公証人に示すことになります。

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新たに法律で規律される事業に新規参入したいと思います。早い段階から、株式会社を設立して、法律の施行と同時に事業を開始することはできますか?

一般的に、当該法律の施行前に包括的な禁止規定が存在していない限り、当該法律の施行前にこれを会社の目的とする会社の設立は可能です。介護保険法施行前に、同法に定める事業を会社の目的とする登記は可能でした。但し、個々の事案については、ご相談下さい。

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退職して起業をしました。この度、サラリーマン時代の友人が、私の会社を手伝ってくれることになりました。取締役として迎えるつもりです。株も少し持ってもらおうと思っています。注意することはありますか?

それは、心強いことですね。取締役として迎え、役職もつければ、仕事をしてもらいやすいと思います。ただ、株主については、慎重に考えて下さい。ご友人が何らかの理由で会社を辞める場合、株式は買い取ってもらいたいと思うのは自然ですね。その時、社長が買い取るか、会社に十分な利益があれば、会社が買い取るということになります。逆に、買取の申し出がない場合は、会社としてエンドレスなお付き合いになります。その方に相続が発生すれば、その相続人が株主として加わります。

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株式会社設立に必要な期間はどの位ですか?

株式会社を設立するには、決めることが全て決まり、印鑑証明書の用意ができてより、準備期間として約1週間、法務局での登記審査期間と印鑑カード交付申請期間として1週間の合計2週間はかかります。法務局によってはもっとかかる場合もあります。株式会社を設立したいと思ってもすぐにはできませんので、早めのご相談をお勧めします。
なお、お急ぎで会社設立登記申請したい場合は、まずはご相談ください。

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子会社の代表取締役は、「社外取締役」となりますか?

子会社の代表取締役や専務取締役・常務取締役や子会社の従業員兼務取締役が親会社の取締役となっている場合があります。この場合は、社外取締役にはあたりません。

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設立の出資金を払い込む先を、ネット銀行に指定してもいいですか?

取引明細書に口座番号が記載されているならば、登記はできると考えます。但し、予め法務局に相談されることをお勧めします。

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事情があって、定款の認証まではできたのですが、登記をしないままです。この度、設立登記をするにあたり、その定款は、使えますか?

この場合、登記はできますが、設立登記の日が、定款に記載のある、最初の事業年度に関する日を過ぎてしまっている場合は、手直しが必要となります。

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親会社の特定の事業を現物出資して子会社を設立しました。その場合、資本金の額を0円とした株式会社の設立はできますか?

グループ企業間で簿価債務超過の現物出資がされた場合には、含み益があっても、現物出資者の帳簿価額で評価されることになることから、0円となることはあると考えます。

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