取締役会を設置する 選択のポイントとは?

取締役会を設置するには、株主総会で定款変更の承認を受けて、登記手続きを行うことで「取締役会設置会社」にすることができます。

取締役会を置くと、株主総会は「会社法、定款に規定する事項のみの決議機関」となって権限が縮小します。

これは、取締役会に経営活動をまかせることで、迅速な業務執行を行うことができるようにという趣旨です。

会社の成長に伴って株主の数が増加してくると、いちいち株主総会を開催することは大変な負担です。

そのような場合には取締役会の設置を検討した方が良いでしょう。

逆に、株式譲渡などの結果、株主の数が減ってきて取締役会と株主総会のメンバーがほとんど同じとなった場合は、取締役会を設置して株主総会と機能を分ける必要性はなくなってきている可能性があります。

このような場合には取締役会の廃止を検討されると良いでしょう。

取締役会設置会社、取締役会非設置会社の違いをまとめた比較表をご紹介します。

取締役会設置会社 取締役会非設置会社
必要役員構成 取締役3名以上 監査役又は会計参与1名以上 取締役1名以上
株主総会の権限 会社法、定款に規定する事項のみの決議機関 一切の事項の決議機関
業務執行 取締役会が業務執行を決定 取締役の過半数で業務執行を決定
競業取引の承認 取締役会の承認+事後報告 株主総会の承認
利益相反取引の承認 取締役会の承認+事後報告 株主総会の承認
株主総会の
招集通知の形式
書面 口頭も可能
株主総会の
招集通知の期限
1週間前 定款で1週間より短縮が可能
計算書類の提供 定時株主総会の招集通知と併せて、 株主に計算書類、事業報告を提供する 総会当日に提供で良い
議事録作成義務 作成義務あり 作成義務なし
議案提案権 総株主の議決権の100分の1以上又は300個以上の議決権を有する株主に認める 全ての株主が可能
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この記事を書いた人

山添健志のアバター 山添健志 佐井司法書士法人副所長

立命館大学 法学部卒業後 2013年司法書士登録(大阪司法書士会)

中小企業診断士の資格も保有し経営と企業法務の専門性で様々な企業のサポートをしています。

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