もうすぐ始まる「相続登記の義務化」「相続土地国庫帰属制度」

目次

相続登記の義務化(令和6年4月1日施行)

不動産を取得することになった相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務付けられました。正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料の対象となります。

「相続登記の義務化」は、空き家問題、所有者不明土地問題が大きな課題となったことをふまえ、連絡のつかない所有者を解消することを目的としたものですが、同時に法律の整備がされていた「相続土地国庫帰属制度」が一足先の来年にも開始します。

相続土地国庫帰属制度(令和5年4月27日施行)

この制度は、一定の要件を満たした土地であって、国の審査を経て承認を受けた土地は、10年分の管理費用を納めることで、国が引き取って管理してくれる制度です。

この「10年分の管理費用」とは、どれくらいの金額なのでしょうか。
まだ正式には決まっていませんが試案が出ていますので、ご紹介します。(後記表参照)

①宅地

面積にかかわらず、20万円


ただし、一部の市街地の宅地については、面積に応じ算定

【例】

100㎡:約55万円

200㎡:約80万円

②田、畑

面積にかかわらず、20万円


ただし、一部の市街地、農用地区域等の田、畑については、面積に応じ算定 

【例】

500㎡:約72万円

1,000㎡:約110万円

③森林

面積に応じ算定


【例】

1,500㎡:約27万円

3,000㎡:約30万円

④その他

面積にかかわらず、20万円


※「雑種地、原野等」を指します。

(※ パブリックコメント 政令案の概要より)

手続きの流れ

なお、建物がある土地は却下対象とされており、申請の前に取り壊しが必要となります。土地の要件については、テミス通信第50号(2021年3月号)でもご紹介しておりますのでご参照ください。

土地所有は負担との声が約42%も

市場で買手が見つからない土地で利用が想定される制度ですので、負担金が高額になると利用が進まないのではと心配していましたが、皆様は負担金の金額をどう感じるでしょうか。

司法書士として仕事をしていると、田舎の土地について明治時代、大正時代に購入した所有者のまま相続登記がされていないということは良く見ます。自身の親の相続手続きをする際に、親が先祖の相続手続きをしていないことを初めて知る方も多いものです。

平成30年度版土地白書で行われた土地問題に関する国民の意識調査では、「土地所有に負担を感じたことがある又は感じると思う 約42%」、令和2年法務省調査では、「土地を国庫に帰属させる制度の利用を希望する世帯 約20%」とあります。

是非、この制度を知っていただき、不要な土地があればこの制度の活用を検討いただき、必要な土地であれば相続登記を速やかに行っていただけるように司法書士の立場からもお願いいたします。

この情報を他の人に伝える

この記事を書いた人

山添健志のアバター 山添健志 佐井司法書士法人副所長

立命館大学 法学部卒業後 2013年司法書士登録(大阪司法書士会)

中小企業診断士の資格も保有し経営と企業法務の専門性で様々な企業のサポートをしています。

目次